アルミニウム地金および加工鋳塊


アルミ地金は、純度や成分によって普通純度地金、高純度地金、合金地金に分類されます。また、形状や用途からはインゴット(一般原材料用鋳塊)、スラブ(圧延用に調整された鋳塊)、ビレット(押出用に調整された鋳塊)などに区別できます。

普通純度地金
一般に純度99.0〜99.9%のものを指し、アルミ加工メーカーが溶解するのに使いやすいような形状になっています。
通常の製品素材(板材、押出材、鋳造品、鍛造品、線材、箔など)はこの地金を用いて製造されています。

高純度地金
普通純度地金よりも純度が高く、純度99.95%以上のものをいいます。この地金は、いったん電気分解して取り出したアルミニウムを、もう一度三層式電解法、または偏析法などで精製してつくります。

合金地金
合金地金は、アルミニウムにあらかじめ何種預かの金属元素を添加して、種々の合金にしてある地金で、加工メーカーでは、これをそのまま再溶解して鋳造品などの製造に用います。

インゴット
加工メーカーが目的に応じて自由に溶解して使えるような形状寸法にしたアルミニウム塊の名称です。普通純度地金、高純度地金、合金地金も一般にインゴットの形で取引されます。普通に使われるインゴット(地金)は、重量20kgにつくられており、他に展伸加工工場向けでは約500kgと700kgのものもあります。
(欧米では、下記のビレット、スラブもふくめてインゴットと呼ぶ場合があります。)

ビレット(押出用鋳塊)
ピレットは主に円柱形に鋳造し、押出加工用に切断した塊の名称で、押出機にかけて高温度で押出し、管、棒、あるいは種々の断面をした形材をつくるためのものです。ビレットはアルミニウム、または種々のアルミ合金として成分を調整し、半連続鋳造法によって150〜600mmΦの円柱形につくられます。これを押出機の仕様にあわせて長さ100〜1,500mmに切断します。

スラブ(圧延用鋳塊)
大型の直方体の形状につくられた圧延用鋳塊の名称で、加熱して高温度で板状に圧延します。スラブはビレットと同じく、あらかじめ成分を調整して半連続鋳造法でつくられ、その重量は目的及び圧延設備の仕様などに応じて決められます。一般には厚さ200〜600mm程度で、おおよそ2〜28トンの重量のものとなっています。

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